仕事が忙しくなると、やるべきことが抜け漏れてまったり、納期に間に合わず業務があふれてしまう。そのような経験はありませんか?
本記事では、スケジュール管理やタスクの優先順位をつけるのが苦手な方に向けて、役に立つような仕事術や考え方を全5回に分けてお伝えします。
第一回は、仕事を効率よく進めるうえで極めて重要となる「仕事の優先順位の考え方」についてお伝えします。
※この連載記事は、株式会社Kaienが監修・執筆しています。Kaienでは多数のジョブコーチを抱えて、様々な方の働き方を支援しています。(https://www.kaien-lab.com/)
● 第一回 ビジネスパーソン必読!「優先順位の考え方」 ● 第二回 作業に集中できない方や先延ばしグセがある人におすすめの対処法 ● 第三回 仕事があふれてしまいがちな人のタイプ別「傾向と対策」 ● 第四回 仕事がデキる人が実践しているスケジュール管理テクニック ● 第五回 もしも仕事があふれそうになったら試してほしい対処法
はじめに
平時であれば滞りなく仕事をすすめることができていても、繁忙期や、業務の依頼が重なった際には、やるべきことがたくさんあり、何から手を付けていいのかわからなくなってしまうことがしばしばあります。
ひとつの作業を担当するシングルタスクであれば、仕事の優先順位を深く考える必要はなく、目の前の仕事を順にこなせばよいかもしれませんが、複数の作業を並行して行うマルチタスクの場合にはそうはいきません。業務の優先順位を考えて進める必要があります。その際に重要になるのが「仕事の優先順位の考え方」です。
本記事を参考にしていただき、忙しいときにも混乱することなく、仕事に向き合うことができるようになっていただければ幸いです。
緊急度重要度マトリックス

仕事の優先順位付けや仕事量の管理、タイムマネジメントで定番的に活用される考え方に、「緊急度重要度マトリックス」というフレームワークがあります。タスクごとで「緊急度の高さ」と「重要度の高さ」の二軸を考え、四象限に分類し、仕事の優先順位を考えるものです。
上記の図のとおり、①~④の4つにタスクを分類した時、どの順番で優先順位をつけるとよいでしょうか? 最も優先すべきなのは「①緊急かつ重要」であることは明確です。ポイントとなるのはその次で、2番目に優先すべきものはどれでしょうか? ぜひこの記事をご覧になっている方も頭の中で考えてみてください。
「緊急度」より「重要度」を、より優先すべき
このマトリックスを初めて見る人の多くが、2番目に優先すべきものを「②緊急だが重要ではない」を挙げることが多いようです。この記事をご覧の皆様も、そのように考えた方が少なくないのではないでしょうか?
業務時間に余裕がある平時であれば、特に問題は出ないでしょう。しかし、いつも時間に余裕がある時ばかりではありません。優先順位を考えるうえでは、仕事が忙しくなり作業時間を十分に確保できない場合を前提に考える必要があります。
忙しい状態とはすなわち、やるべきことに対して作業時間が足りなくなることです。時がたつにつれて、徐々に仕事の納期が間に合わなくなり、仕事があふれていく。そのような状況で、「②緊急だが重要ではない仕事」を優先していると、「③重要だが緊急ではない」仕事を後回しにしていた結果、納期が迫り「③重要だが緊急ではない」がいつのまにか「①緊急かつ重要」な仕事に変わり、更に業務の状況を圧迫することになってしまいます。
その結果、いくつもの重要な仕事が立ち行かなくなり、業務にクリティカルな影響を与えてしまうことになるのです。

極論を言えば重要度が低い仕事はあふれさせておけばよい
従って、お勧めする優先順位の付け方は以下の通りです。
「①緊急かつ重要」>「③重要だが緊急ではない」>「②緊急だが重要ではない」>「④緊急でも重要でもない」
考え方のポイントは、すべてのやるべきタスクを予定通りに行うことを、いったん開き直って諦めてしまうことです。前述の通り、忙しい状態とは、やらなければならない作業時間に対して、業務時間が足りなくなってしまう状態です。仮にいくら残業したとしても、与えられた時間は有限です。業務があふれてしまうのだとすれば、溢れさせるのは重要な業務ではなく、重要度が低い(=あふれてしまっても影響が少ない)業務である、ということです。

もちろん、重要度が低いからと言って、放置しておいてよいということではありません。周囲に相談し、納期を遅らせてもらったり、担当者を変更してもらい他の同僚に対応してもらうなどを行うとよいでしょう。このようなことをお願いするのは、気が引けることもあるかもしれませんが、業務があふれており、より重要度の高い仕事を抱えていることを伝えれば、きっと周囲も理解してくれるはずです。
重要度を判断する基準
4つの領域に業務を振り分ける際にポイントとなるのは、「重要度」の判断です。「緊急度」は求められている納期をもとに判断すればよいので単純ですが、「重要度」は抽象的で判断に迷うことがあるかもしれません。
実際に状況や立場、所属する組織によって業務の重要度の基準は異なることがありますので、経験によって判断される部分が大きいでしょう。ここでは、一般的に業務の重要度を判断する際の4つの基準を例示します。
● 顧客や売上への影響度
● 組織や自身のミッションへの影響度
● 社内よりも社外
● 上長からの依頼
顧客や売上への影響度
重要度を考えるうえで最も大きな判断基準は「顧客や売上への影響度」です。細かい説明は必要ないと思いますが、その業務を行わないと会社に大きな損失を及ぼすことが予想される場合には、なによりもその業務を優先して行うべきでしょう。また、一般的に「顧客の信頼」は売上に直接影響を及ぼすと考えられています。売上への影響と同等に、その業務が顧客の信頼を失墜する恐れがある場合には重要度を高く設定する必要があります。
具体的には、個人情報漏洩やサービス提供に関する事故などのインシデント対応、商談中の案件対応などが例として挙げられます。
組織の「ミッション」やそれに紐づく自分の「役割」への影響度
どのような会社でも会社が掲げるミッションや、中期経営計画、年度もの目標など「目指すべきゴール」が示されているはずです。また、自分自身、それらに紐づく「役割」が与えられているでしょう。
もしそのタスクが、組織のミッションや自分の役割に関連したものなのであれば、それ以外(組織のミッションや自分の主たる役割に関連性がない)のタスクよりも優先して行うべきです。
社内よりも社外
その業務が滞った場合に、迷惑をかけてしまう相手は誰でしょうか? その相手が社外、とりわけ商品やサービスを購入してくださるお客様の場合には、その業務は重要なものとして取り扱うべきでしょう。
上長からの依頼
一般論として、より役職が高い人のほうが、より重要なミッションを持っている場合が多いでしょう。直属の上司、あるいはそれより上位の役職者からの依頼があれば、自分のそのほかの仕事よりも優先し、重要度を高く設定すべきです。期待されている納期よりも早く納品することができれば、自分の評価を高めることにもつながるでしょう。
まとめ
最後に、とてもシンプルな優先順位の判断方法をお伝えします。
それは「絶対に必要なもの」と「あったらいいもの」の線引きをすることです。ビジネスの場面では、しばしば英語では前者を“a must-have”、後者を“a nice-to-have”と表現されます。
まずは今やるべきことを列挙してください。完全に無駄なことは一つもないと感じられるでしょう。だからこそ優先順位をつけることが難しいのですが、よくよく考えてみると、その中に「あったらいいもの」=あってもなくてもよいもの=なかったとしても何とかなるもの、が見えてくるはずです。その仕事は優先順位を落としてもよい仕事です。外すことができない「絶対に必要なもの」を上から順に淡々と処理していきましょう。
もし「緊急度重要度マトリックス」が難解で、自分には合わないと感じる人に特にお勧めなのでぜひ試してみてください。
また、優先度などを考慮して、スケジュールの組み立てをサポートしてくれるツールを利用するのもおすすめです。
TONOME Work(トノミー)
TONOMEでは、優先度に基づく自動スケジュール機能が搭載されています。
優先度をつけた後のスケジューリングが自動化されるため、計画を実行にスムーズに繋げられると思います。優先度付けやスケジュール管理に苦手意識を持たれている方は、ぜひ試してみてください。

